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【菊川町海老芋部会】部会長 森本修司さん
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菊川町は山口県内では唯一のエビイモの産地です。昭和62年から本格的に栽培が始まり、現在部会には11軒が所属しています。部会長の森本さんは設立当時からエビイモを栽培しています。エビイモはサトイモの仲間ですが、栽培方法が独特です。親芋の周りに出る子芋を海老のようなしま模様が入った楕円形に育てるために、大きく育つまでに何度も根元に土を入れて土の重みで圧力をかけるのです。
8月に見せてもらった森本さんのエビイモ畑は大人の肩の高さほどある茎に大きな丸い葉が茂っていて一面の緑。森本さんは1反の畑に800株を植えていて、連作を避けるために4カ所で毎年場所を変えながら栽培しています。
8月に見せてもらった森本さんのエビイモ畑は大人の肩の高さほどある茎に大きな丸い葉が茂っていて一面の緑。森本さんは1反の畑に800株を植えていて、連作を避けるために4カ所で毎年場所を変えながら栽培しています。
5月の初めに20cmほどの茎に2枚の葉がついた親芋を植えると、親芋の周りに葉が生えてきます。葉1枚につき子芋が1つできるのですが、5枚葉が出たらそれ以上は間引きます。子芋があまり増えすぎると良いサイズで形良く育たないからです。6月から8月の暑い時期に3〜4回土入れ作業を行います。追肥や水の管理、草取りなど秋にも様々な作業をして、子芋が成熟した頃11月の上旬に出荷シーズンが始まり、年末まで続きます。
収穫の時期に再び訪れた森本さんのエビイモ畑は夏と全く様子が違いました。あんなに茂っていてジャングルみたいだった緑の大きな葉はどこにもなく、丈の短い草に覆われて、ところどころに枯れて茶色く小さくなったエビイモの葉が見えます。「夏と全然違いますね。」と言うと森本さんが「子芋を太らせるために9月には親芋の茎を切って葉を落とすけぇね。エビイモのことを親不孝芋って言ったりするんよ。」と教えてくれました。「親の葉を落としたら、子芋の葉に陽が当たるようになって子芋が太るんよ。」と言いながら大きなクワを振り下ろしてエビイモを掘り起こしてしていきます。両手でひと抱えもある土の塊を持ち上げると白い根っこが見え、バラバラと土が落ちました。森本さんの手の中に握りこぶしくらいの芋が見えました。「真ん中が親芋でその周りのが子芋、Sサイズで1個60〜120g、Mが219gまで、Lが319g、LLと3LまであるけどこれはMサイズくらいやね。この小さいのは孫芋。子芋の外についとるやろ。組合では孫芋も出荷しよるんよ。」と子芋と孫芋の土を軽く払って別々のコンテナに入れました。「こうやって掘ってみるまで土の中でどんな形に仕上がっとるかわからんのが難しいところやね。良い形にしようと土入れの方法をいろいろ試してみるけどね。」と言いながら森本さんは次々に芋を掘り起こしていました。
掘り出したエビイモは土がついて全体が黒っぽい茶色でしたが、根っこを落とし、周りについた土を丁寧にふき取るとエビイモの特徴のひとつであるしま模様がくっきり見えました。最後に森本さんが残っていた茎の根元部分を包丁で短く切りそろえると立派な商品としてのエビイモの姿になりました。
「掘った後は絶対洗わんのですよ。水は厳禁。丁寧に拭くだけ。」と手の中のエビイモを見せてくれました。手のひらからはみ出すほどの大きさで、しま模様が綺麗に出ていてます。「このくらい大きいのが料亭なんかで喜んでもらえるサイズかな。」という森本さんにエビイモの味の特徴を聞きました。「キメが細かいから口当たりが優しくて、粘りは少なくて甘みがある。芋がしっかりしてて煮崩れしにくいって言われるね。一回食べてもらったら違いがわかるよ。」との事。菊川町のエビイモは大きいサイズのものが需要が高く、主に北九州の市場に出荷され高値で取引されています。小さいサイズのものは地元の道の駅きくがわで販売されたり、サングリーン菊川のお料理で提供されています。森本さんのお宅ではエビイモをおでんに入れたり、コロッケにしたり、1cmくらいの厚みに切って天ぷらにしたりされるそうです。高級食材を贅沢に使えるのは生産者の醍醐味ですね。
エビイモのいろんな食べ方を教えてくれた森本さんは「野菜を作るのは面白いんよ。」と付け加えました。お話を聞くと森本さんはかなり研究熱心な性格で、長年栽培しているエビイモだけでなく、これまでに様々な野菜の栽培に挑戦してきたようです。若い頃には自然薯栽培に挑戦して、形も品質もいいものを作ることに熱中していたそうですし、今では一般的になったロマネスコもまだ下関では知られていなかった頃にいち早く栽培してみたり、最近はアーサイという野菜の栽培にも取り組んでいるそうです。
これからも森本さんはまだ私たちの知らない野菜を見つけて栽培にチャレンジされると思います。そしてエビイモの産地として部会の仲間たちと菊川町海老芋部会を守りながら、より良いエビイモを栽培するためのチャレンジも続けられるでしょう。ぜひみなさんも菊川町のエビイモにご注目ください。
「掘った後は絶対洗わんのですよ。水は厳禁。丁寧に拭くだけ。」と手の中のエビイモを見せてくれました。手のひらからはみ出すほどの大きさで、しま模様が綺麗に出ていてます。「このくらい大きいのが料亭なんかで喜んでもらえるサイズかな。」という森本さんにエビイモの味の特徴を聞きました。「キメが細かいから口当たりが優しくて、粘りは少なくて甘みがある。芋がしっかりしてて煮崩れしにくいって言われるね。一回食べてもらったら違いがわかるよ。」との事。菊川町のエビイモは大きいサイズのものが需要が高く、主に北九州の市場に出荷され高値で取引されています。小さいサイズのものは地元の道の駅きくがわで販売されたり、サングリーン菊川のお料理で提供されています。森本さんのお宅ではエビイモをおでんに入れたり、コロッケにしたり、1cmくらいの厚みに切って天ぷらにしたりされるそうです。高級食材を贅沢に使えるのは生産者の醍醐味ですね。
エビイモのいろんな食べ方を教えてくれた森本さんは「野菜を作るのは面白いんよ。」と付け加えました。お話を聞くと森本さんはかなり研究熱心な性格で、長年栽培しているエビイモだけでなく、これまでに様々な野菜の栽培に挑戦してきたようです。若い頃には自然薯栽培に挑戦して、形も品質もいいものを作ることに熱中していたそうですし、今では一般的になったロマネスコもまだ下関では知られていなかった頃にいち早く栽培してみたり、最近はアーサイという野菜の栽培にも取り組んでいるそうです。
これからも森本さんはまだ私たちの知らない野菜を見つけて栽培にチャレンジされると思います。そしてエビイモの産地として部会の仲間たちと菊川町海老芋部会を守りながら、より良いエビイモを栽培するためのチャレンジも続けられるでしょう。ぜひみなさんも菊川町のエビイモにご注目ください。