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松原千鶴子さん(部会長) 西川吉彦さん 白石ひろ子さん

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【安岡ひまわりレディース父ちゃん母ちゃんズ】
松原千鶴子さん(部会長) 西川吉彦さん 白石ひろ子さん

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【安岡ひまわりレディース父ちゃん母ちゃんズ 松原千鶴子さん(部会長)】の西川吉彦さんと白石ひろ子さん

 関門海峡から西の沿岸を10キロほど北上したあたりが下関市西部の町、安岡です。西に響灘が広がり、東には鋤先山などの山地が連なり、その間に広がる平地では古くから農業が行われています。安岡地区で農業を営む西川さんに「いつ頃から農業をされているんですか?」と聞くと「さあ、江戸時代からしよるって聞いとるよ。」との事。

ハウスの中で育つエダマメ収穫したエダマメを持つ西川吉彦さん

 真夏で午前中から気温が30度を超えそうな日。西川さんに案内していただいたエダマメのハウスは扉を開けると熱気が吹き出して来ました。ハウスの中には草丈が50cmくらいで、鮮やかな緑色の丸い葉をたくさんつけたエダマメが奥の方までずらりと植えられています。西川さんは手前の株をかき分けながら「ほら、このくらいになったらもう明日には出荷できるね。」と言いながら豆のサヤの部分を見せてくれました。ふっくらと3つの膨らみが連なるエダマメはもっと大きくなる余地がありそうに思えたので「もうこれで出荷なんですか?」と改めて聞いてみると「パンパンに膨らむまで枝につけとくと中の薄皮が硬くなって食感が悪くなるけぇ、8分目くらいで出荷するんよ。このくらいなら柔らかくて薄皮が口に当たらんけぇね。」と教えてくれました。
 同じく安岡地区でエダマメを栽培している白石さんも「エダマメは肥料はほとんどいらんけど、サヤが付いたらしっかり水をやらんといけんのよ。ちょうどよく育ったら4つ豆(1つのサヤに豆が4つ入っているもの)も多くなるね。温度も高すぎたらダメやね。本当は25度くらいがちょうどいいんやけど、今年はちょっと暑すぎ。ハウスの中の風通しを良くしとかんといけんね。」と汗を拭きながら教えてくれました。西川さんのハウスのそばには先祖代々伝わる井戸があり、そこからポンプで汲み上げた水を毎日1回ホースでハウス内に撒いているそうです。なかなかの重労働。でも西川さんのご先祖様の時代には井戸から水を汲みあげるところからやっていたのでしょうね。
 エダマメは花が咲いたあとの積算温度が700度くらいになると収穫の時期を迎えます。1月末から2月に植える極早生は5月の連休明けに出荷を迎えますが、中生(なかて)と言われる5月から6月にかけて種を蒔いたものは真夏の暑い時期に収穫されて、多くのご家庭でビールのおつまみなど食卓を彩る一品になったり、料亭などでも提供されます。晩生(おくて)は6月から7月に種を撒くので出荷は10月上旬まで続きます。

いくものサヤを付けたエダマメ

 西川さんと白石さんが所属している「安岡ひまわりレディース父ちゃん母ちゃんズ」では長期間の出荷と、害虫などを防いで品質を保つためにハウス栽培にこだわってエダマメづくりをしています。そのこだわりは出荷する際の調整作業でも見られました。
 安岡地区の兼業農家の女性たちが集まって「子供達に安全な野菜を食べさせたい」という思いから始まった「安岡ひまわりレディース」。今では男性達もメンバーに加わって「安岡ひまわりレディース父ちゃん母ちゃんズ」として、はなっこりー やネギ、パセリ、エダマメなどを出荷しています。「ひまわり夢ハウス」と名付けられた作業所では、日々メンバーのみなさんが賑やかにスピーディーに出荷作業を行なっています。

「ひまわり夢ハウス」で出荷作業を行うメンバーの方

 ひまわりレディースの松原千鶴子さんが安岡独特のエダマメの出荷調整作業を実演してくれました。葉っぱを取り除いた枝4〜5本でひと束が250gくらいになるようにして、エダマメのサヤが片側に並ぶように茎を束ねます。そして根元をワラでくるりと縛って出荷用の袋に入れたら出来上がり。「お嫁に来たばっかりの頃はこれが難しくてなかなか上手くできんかったんよ。でももう40年も経つけぇねぇ。ほら、綺麗にできとるやろ。やっぱり出荷するときに綺麗なものの方が喜んでもらえると思うけぇね。」と元気な声とあふれる笑顔。「昔はこれを3つ束ねて1つにして出荷しよったけど、今は核家族化で3束もあったらなかなか売れんけぇ1束で出荷するようになったんよ。これ3つ束ねるんがまた難しいんよ。」との事。確かに、3つ束ねたら少なくとも750gにはなるので、片手で持ちながら束ねていくのは女性の手ではなかなか難しいかも知れません。この束ね方は手間もかかるので、全国的にも今ではほとんどやっている産地はないそうです。
 松原さんの前では、ひときわ若い女性が一人、時間をかけて一生懸命エダマメを束ねていました。新谷弘美さんは3ヶ月前にご結婚してひまわりレディースに加わったばかりの新人さん。「嫁いで初めて夫が作ったエダマメを食べたとき、エダマメってこんなに美味しいんだ!って感動しました。」と笑顔で語ってくれました。エダマメを束ねる技も、その美味しさを伝える気持ちも確実に次の世代に受け継がれています。
 そんな安岡のエダマメは過去には香港に出荷されて高い評価を得るなど、全国に向けて出荷されています。茶豆風味の下関産「湯あがり娘」という品種名で販売されています。お店で見かけたらぜひ1度束ね方をじっと見てください。エダマメは鮮度が命。購入したらすぐに茹でて食べるのが一番美味しい食べ方と教えていただきました。すぐに食べない場合は茹でたら冷凍保存するといいそうですよ。

安岡の荷姿の特徴の写真(さやの向きを表に向けて揃えるため、裏側は茎しか見えない)エダマメを手に笑顔の「安岡ひまわりレディース父ちゃん母ちゃんズ」のみなさん

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