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下関の魚市場 下関漁港地方卸売市場
下関の魚市場 下関漁港地方卸売市場
2021年5月、下関漁港地方卸売市場は、安心・安全な水産物を安定的に供給するため、関連施設のさまざまな機能を集約し、高度衛生管理型荷さばき所を持つ新たな市場としてリニューアルしました。
鳥や犬猫などの進入を防止する壁や扉などで締め切った閉鎖型の市場で、排気ガス等の対策として、屋外を走行する車両の進入を禁止し、屋内は、電動フォークリフトに限定しています。また、荷さばき所内に製氷施設、冷凍・冷蔵庫、一次加工室等を集約するなど高度な衛生管理基準を満たす対策がとられています。
下関漁港では主に、次の3種類の漁業で獲られた魚介類が揚がります。
- 沖合底びき網漁業……アンコウ・アカムツ(ノドグロ)・カレイなど
- 大中型・中型まき網漁業…アジ・サバなど
- はえ縄漁業…フグ・ハモ・アマダイなど
中でも、日本一の水揚量を誇るアンコウを獲る「沖合底びき網漁業」についてご紹介します。
沖合底びき網漁業 通称「おきそこ」
- 全長およそ30m船が2隻1組で操業します。
- 漁場は、下関からおよそ200km、長崎県対馬と韓国の間の海域です。
- 重りの付いた網を2隻の船で協力して引っ張り、交代で獲れた魚介類を分類して船の中に保管していきます。
- 獲れる魚介類は、主にアンコウ・アカムツ・カレイなどです。
沖合底びき網漁業豆知識
漁期は、例年8月から次の年の5月までです。9か月間もの間、シケのとき以外は、ほとんど海に出ています。
例年6月から8月までは休漁期間で、船を修理に出したり、網の補修作業を行ったりします。
1日の間に大体7回、1回当たり2時間網をひきます。網をひき上げ、魚介類を分類し保管する作業に約2時間かかります。
網をひく場所や網をひくスピード次第で獲れる量が大きく変わるので、漁を指揮する漁労長の長年の経験と勘が操業にとって大変重要です。
船では単純に魚介類を獲るだけではなく、特にアンコウなどは下処理まですることで魚の鮮度や品質を保ち、出荷用の箱に綺麗に並べることで価値をつくり上げています。
沖合底びき網漁業で獲れた魚が市場出荷されるまで
- 沖合底びき網漁船が下関漁港に帰港。
- 荷役作業は漁船乗組員と卸売業が共同で行う。
- セリ人は下関中央魚市場(株)、買参人は下関漁港地方卸売市場の仲卸業者でセリが行われる。
- 下関漁港地方卸売市場の仲卸業者や運送業者が市場から出荷する。
市場は生産者(漁師さん)が獲ってきた魚に適切な価格をつけて買ってもらうところです。たくさんの魚を短時間で売りさばくセリは生産者から魚の販売をまかされた「卸売業者」である「セリ人」と、魚を買う「仲卸業者」によって行われます。仲卸業者は値段を示し、セリ人は瞬間的に価格を読み取ります。そして一番高い値段をつけた人が魚を買うことができます。セリは、魚の鮮度を落とさないために短い時間で行われます。
競り落とされた魚は荷さばき場に集められ、出荷先ごとに仕分けられます。
魚の鮮度を保つために荷さばき所内に製氷施設や冷凍冷蔵庫、一次加工室等が設置してあるので出荷までの流れがスムーズに進みます。
衛生管理のため関係者以外は入ることができないようになっていて、場内で荷物を運ぶフォークリフトは排気ガス対策のためすべて電動のものが使われています。
市場で競り落とされた魚は、夜があける頃には加工場やお店、飲食店などに運ばれていきます。
そして競り落とされた魚は加工されたり、お店で販売されたり、飲食店で提供されたり、皆さんのところへ届きます。
ぜひ新鮮なお魚を選んで美味しく食べてください!