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垢田施設トマト部会 部会長 池本清志さん / 部会役員 門俊宏さん / 松本健治さん

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 トマト部会集合

 

 「垢田トマト」と言えば市内はもちろん、県外にもその名を知られる下関のブランドトマトになっています。

 そのブランド化に尽力された、前部会長の江本秀昭さんに師事してトマト作りを始めたという池本さんは「農家を継ぐ気なんかなかったのに気が付いたらこんなことになったんやけぇ!」とちょっと、 おどけて話してくれました。

 トマト栽培をしていたお父さんが、平成10年に新しいハウスを建てた直後、ご病気で倒れてしまったため、それまで勤めていたJAを退職して突如トマト栽培をすることになった池本さん。何をすればいいかわからないまま、トマト栽培の第一人者だった江本さんに師事して栽培方法を学ぶことになりました。とはいえ、手取り足取り教えてもらったわけではありません。いつ、どの位水をやるのか、ストップウォッチを手に、水をやる時間を計ったり、どこの葉を取って、どこの葉を残すのか、受粉させるためのハチをいつ頃ハウスに入れるのか、などなど江本さんの栽培方法を見ながらあらゆることをメモして同じようにやってみたそうです。

 「そうは言っても全く同じ様に出来るわけじゃないけぇね、いかにお金をかけんでマネできるか一生懸命考えてやってみたけど、最初の10年くらいはなかなか大変やったよ。」と池本さん。今では2400平方メートル分のハウスでトマトの栽培を行っていて、3人のパートさんを雇うまでになりましたが、管理育成についてはほとんど1人で作業を行っています。

 

 生産者   

 

 外の気温は15度に届かないくらいでしたが、トマトを栽培しているハウスの中は25度くらいで、ちょっと動き回るとすぐ汗が出てくる温度です。約2,000平方メートルのハウスの中には、高さが160cmくらいの、どっしりとした太い茎のトマトの株が3,000本びっしりと植えられています。よく見ると下の方に赤く色づき始めたトマトがいくつかあり、上の方の枝には黄色い花が咲いています。

 「トマトは病害虫に強くするためにほとんど接木で作るんやけど、垢田トマトは自根栽培って言って接木せんでタネから自分の根で大きくするんよ。苗半作、土半作って言われてて、土作りをしっかりして苗が小さいうちに病気にならない様にしっかり手をかけて育てるのが大切。水は極力減らして育てるけぇ見てん、茎と枝にびっしり毛が生えとるやろう?これで空気中の水分も取り込むんよ。トマトが自分の生命力で強く育つけぇ、美味しくなるんよ。」と教えてくれました。

 他の産地と同じ品種のトマトを作っても、水をぎりぎりまで減らすので、実があまり大きくならず、その分味が濃くなり糖度も高くなるのです。「この一番下の枝のトマトは植えてから、3ヶ月かけてゆっくりじっくり大きくなって熟すけぇ、実がしっかり詰まってて肉厚で美味しいよ。一番上の花はこれからハチを入れて受粉して、実が赤くなるのはゴールデンウイークの頃かな。」と赤くなったトマトをひとつ取ってくれました。直径が6〜7cmと小ぶりですがしっかり重さがあり固く締まっています。「普通のトマトは水に入れたら浮くけど、これは実が詰まっとるけぇ水に入れたら沈むんよ。」と池本さん。

 

トマト葉 

 

トマト

 

 垢田施設トマト部会のメンバー5人は、先輩方が築き上げてきた「垢田トマト」のブランドを守るため、日々努力しています。

 門さんは、奥様の実家の農業を継いでトマト作りを始め、池本さんから学んだことに自分で考えた方法も取り入れながらトマトの他にキュウリや大根などを栽培しています。また、松本さんは、最新の環境制御技術で、PCを使った温度管理や水やりなどを率先して取り入れ、その成果をメンバーのみなさんと情報共有しながらトマト作りをしています。

 そんなメンバーのみなさんとの交流が一番楽しいと言う池本さん。「垢田トマトを認知してもらうまではいろんなところへ宣伝に行ったりして大変だったけど、今はそうやって築き上げてきたブランドを守るのが大変。これまでの培ってきた方法を守りながら仲間と一緒に新しいことも試したりして、常にお客さんの期待を裏切らんようなトマトを作らんといけん。ま、ある程度大きくなったらあとは苗任せな部分はあるけどね。」と言いながらワハハと笑った池本さんの周りで、松本さんと門さんも一緒に笑っていました。

 みんなが別々の場所で一定の品質のものを作り上げる難しさがある中、池本さんはこれまで自分がやってきた方法のデータを取るなどして、新しくトマト栽培を始める人へのマニュアルを作りたいと思っているそうです。これからも垢田トマトは楽しい仲間たちがその信頼と美味しさを守っていってくれそうです。