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角島漁業協同組合 漁師 杉原博典さん

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杉原博典さん

 

 杉原さんの博信丸が港に帰ってくると、待っていたお母さんが係留用のロープを渡し、慌ただしく荷下ろしが始まりました。船の上の発泡スチロールの箱には30〜40cmはあるピンク色でツヤツヤのアマダイが何匹も詰まっています。「今日は全部で9箱分。まあまあかな。」と杉原さん。全部を船から下ろすと出荷用の新しい箱にアマダイを詰め替えて計量します。

 

 空っぽの箱にまず氷を入れると杉原さんは金属のコテのようなもので丁寧に氷を均していきます。「生きた魚は下氷、死んだ魚は上氷って言うんよ。」と言いながら均した氷の上に薄いスポンジを敷いて、同じくらいの大きさのアマダイを選びながら向きを揃え、丁寧に詰めていきました。アマダイに直接氷が当たると氷焼けしてしまうので、氷の上にスポンジを敷くのです。

 「アマダイは身が柔らかいけぇ優しく扱わんといけんし、やっぱり出荷用に見栄えをよくせんといけんけぇね。」と作業をしながら話してくれました。この作業も手早くしないといけない理由があります。水揚げされたばかりのアマダイは艶やかで本当にきれいなピンク色なんですが、長く空気に触れさせると色が抜けて白っぽくなってしまうのです。きれいに並べられたアマダイが入った箱に、すぐ蓋をして計量しながら「やっぱりね、見た目が大事よ。」と言って箱に重さを書き込みました。

 

杉原さん荷下ろし杉原さん氷均し

 

 杉原さんが漁師になったのは平成9年。その前は鉄工所で働いていたそうですが、お父さんがイカ漁師さんだったこともあり、小さい頃から釣りが好きで、船酔いもしなかったそうです。漁師になったばかりの頃は、お父さんと一緒に船に乗っていましたが、今は1人で漁に出ています。「親父からは漁の技術について何か教えてもらったことはないな。見て学べっていう感じやったけぇね。でも他の船との兼ね合いとか、漁師同士の付き合いについては色々習ったね。」と杉原さん。

 

 アマダイは、延縄漁で獲ります。潮の流れが小さいときには角島の近海ですが、潮の流れが大きくなる大潮のときには角島から2時間ほど離れた漁場に向かいます。潮流計などを使って漁場を決めると、長さ10kmの縄に1000本の針がついた仕掛けを2時間かけて水深100mほどの海中に入れます。

 それから仕掛けの回収です。船の上では、1匹1匹釣り上げるごとにシメて血抜きをして神経締めをして、と丁寧に処理して箱に詰めていきます。この手間をかけることでアマダイの鮮度が保たれるのです。仕掛け全部を回収するまでは、およそ7時間かかります。よく獲れた時には10箱を超えることもあるそうです。

 

杉原さんアマダイ杉原さん取材中

 

 アマダイは年中獲れる魚ですが、山口県では資源保護のため8月15日から10月15日までは禁漁となっています。その間は、クエなど他の魚も獲ります。杉原さんは40kgクラスのクエを上げたこともあるそうです。

 「漁師は努力した分、成果が収入に直結するのがいいね。サラリーマンしよった頃より楽しいよ。休みの時も道具の手入れしたり、ほとんどの時間、漁の準備しよるし、やっぱり海が好きなんよね。」と笑った杉原さん。「アマダイはよく食べますか?」と聞くと「いや、全然。イワシとかアジとかサバとか青物の方が好きなんよ。他の漁師さんからもらったりしてよく食べるけど、ウルメイワシの刺身とか最高よ。」とのこと。父の教えで他の漁師さんとの交流も大切にしながら、杉原さんは漁師の仕事に打ち込んでいらっしゃいます。

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