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山口県漁業協同組合 下関南風泊支店 漁師 武井さん

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船の上でしもマルの看板を持っている武井聡さんの画像


東京で会社員として働いていた武井さんは、東日本大震災の後、自分の働き方を考え直し、もともと釣りが好きだったこともあり、脱サラして漁師を目指すようになりました。当時福岡で開催された漁業就業支援フェアに参加した際、下関の漁業で特に魅力を感じたのはワカメの養殖です。漁師での収入に不安があった武井さんでしたが、就業支援フェアで紹介されたところによると年間収入の半分くらいをワカメの養殖で得られるようだったし、下関はいろいろな観光地などへのアクセスもいいところが魅力的だったと言います。そしてニューフィッシャーとして2年の研修期間を過ごし、そのまま下関で漁師として働き始めました。
南風泊の養殖ワカメ組合には7人が所属しています。ワカメの養殖は、まず春先にワカメのメカブを回収することから始まります。4月に回収したメカブを使って「タネ付け」をおこないます。4月から9月の末まで回収したメカブを使って「タネ糸」づくりを行います。ワカメの胞子葉(メカブ)を海水につけて配偶子(タネ)を放出させ、その海水に糸を浸してタネを付着させます。タネ糸をたくさん作る作業です。この期間はそんなに手間がかからないので、タネ付けが終わってから夏までの間は海水を頻繁に替え、照度(日差しの強さ)を調整しながら管理しなければなりません。夏の間は魚を獲る漁に出ます。秋になって10月になると1本200mあるタネ糸を巻いた「タネ枠」と呼ばれるものを沖の養殖イカダに出していきます。武井さんのタネ枠だけでも36個分もあります。10月末まで海藻やゴミなどがつかないように毎日タネ枠を洗わなくてはいけません。この頃にはタネ糸にちいさなワカメの芽が出ています。今度は芽が付いたタネ糸をさらに太いロープにまきつけて200m×200mの大きさの養殖いかだにロープを張り1ヶ月ほど海で育てます。「ここまでの作業が一番大変かもしれませんね。」と武井さん。そして11月末頃ワカメが20cm程度の長さまで育ったらいよいよ収穫が始まります。「ちゃんと大きくなったら本当に嬉しいですね。まだ小さいワカメだけど、やわらかくて美味しいんですよ。」と笑顔になりました。この頃採った生ワカメは下関や北九州に出荷されるそうです。12月中は2日に1回くらいのペースでワカメを切りに伝馬船(てんません)で養殖イカダに出ます。あわせて磯見でアワビやサザエなどの漁も行います。そして1月になると小さめの新芽のワカメを採りながら、大きめのワカメは塩蔵ワカメ用に残す間引きをしながらの収穫です。塩蔵ワカメの原料にするには大きくて長く成長したものが良いからです。この作業は海の上の伝馬船でイカダに張ったロープを手繰りながら朝から夕方までかかってもロープ100m程度しか進まないという時間のかかる作業です。そんな作業を続けながら1月末から2月になるとイカダに残したワカメは幅広で長さが1m以上に成長して塩蔵ワカメに最適な大きさになります。「良いワカメは黒々として艶があるものですね。」と武井さんが教えてくれました。南風泊には塩蔵ワカメの加工場があり、養殖ワカメ部会の7人で合せて3トン分を塩蔵ワカメに加工するのです。塩蔵ワカメは冷凍で1年くらい保存でき、カチカチに固まることがなく使いやすいのが利点です。武井さんも毎日お味噌汁や酢の物でワカメを食べているそうです。

船の上に立っている武井聡さんの引きの画像収穫したばかりのワカメのアップの画像


ワカメのことをいろいろ教えて下さる武井さんに「漁師になっていかがですか?」と聞くと「仕事の内容が濃いですね。毎日ずっと忙しい訳じゃなくて、短時間で収入が得られるから転職して良かったです。」と笑顔で答えてくれました。「会社員として働いていたころより収入は少し減ったけど、それでも今の方がゆとりのある生活が出来ていて満足している。」という武井さんは時化などで海に出ない日は近隣の温泉に行くのが楽しみなんだそうです。「下関は近くにいろんな温泉があるのもいいですよね。」と下関での漁師生活を満喫している武井さんでした。

青いプラスチックのカゴいっぱいのワカメを見せてくれている黄色いニットキャップをかぶった武井聡さんの画像

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