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豊田梨共同出荷組合 組合長 山田正信さん / 副組合長 山野重慈さん / 観光部長 一柳武知さん / 販売部長 阪田浩昌さん / 指導部長 西本昌憲さん

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豊田梨選果場内で梨の箱が積み上げられた前に並ぶ柳井さつきさんと豊田梨共同出荷組合の6名の画像


 昭和初期に数名で始まった豊田町の梨栽培は、ミネラル豊富な赤土の土壌や、標高が高めで日中と夜の寒暖差が大きいことなどが梨の栽培に適していたことで町内全体に広がりました。現在の豊田梨共同出荷組合は19戸の生産者が16.5ヘクタールで山口県のブランドにもなっている「下関豊田の豊水」を筆頭に「幸水」「なつしずく」「二十世紀」「あきづき」「新高」の6品種を生産しています。
 組合長の山田さんに梨づくりについてお聞きすると「地元の小学生に見せるのに作った動画があるけぇ見せてあげよう」との事。山田組合長自らがドローンを飛ばして撮影されたそうです。
 梨づくりは年間を通して様々な作業があります。8月から10月中旬までの収穫期が終わるとすぐに次のシーズンへ向けての土作りが行われ、12月からはその年に伸びた枝の剪定と誘引の作業が続きます。1本の枝に最適な数の花がつくように調整し、気温や遅霜などに気を配りながら花が咲くのを待ちます。温暖化の影響で年々開花が早まっていて、令和3年は例年より2週間も早く開花しました。4月の中旬に白い花が咲いたら受粉。これもひとつひとつ手作業で行います。小さな実がついたら、どの実が形良く育つかを見極めて摘果(てきか)して行きます。豊田梨共同出荷組合の観光部長を務める一柳さんは長年の梨栽培の経験から「梨園で常に足跡がついているところには良い梨ができる」と言います。毎日木をよく観察することが大切だと先人から受け継いできました。「組合には会社員から転身した30代の若い生産者さんもいて、頑張ってますよ。」と販売部長と指導部長を兼務する阪田さんが教えてくれました。組合員の平均年齢は60代後半ということですが、ベテラン、新人を問わず「豊田の梨」の品質を守り、さらに良いものを作るために生産技術も組合員同士で共有しています。「贈答用の出荷も多くなっているので、お客様の期待を裏切らないようなものを出荷しようと品質のハードルを上げています。」と副組合長の山野さん。令和3年からは「果実用透過型センサー」という光センサーで梨の糖度などを測定する最新機械を導入しました。収穫期、選果場には多い時には一日3万5千個もの梨が持ち込まれ、仕分けられます。センサーの導入で生産農家ごとに品質のデータが記録・集計されるようになったので、特に良い品質の梨を作った生産者は組合から表彰されるようになりました。

選果場内に座って談笑する柳井さつきさんと豊田梨共同出荷組合の皆さんの画像笑顔の柳井さつきさんと並んだ坂田さんの画像笑顔の山田組合長と一柳さんの画像


 皆さんに「お仕事大変じゃないですか?」とたずねると口々に「まあ仕事やけ大変は大変やけど、楽しいよ。」「この歳になっても働けるし、良いものを作れるのは嬉しいこと。」「木は文句言わん。手をかけたらそれだけちゃんと返ってくるけぇね。」「自分で時間を調節して働けるのもいいんよ。」という答えが返ってきました。みなさん「豊田梨」に誇りを持ってたくさんの人に喜んでもらおうと楽しみながら梨づくりに励んでいます。

プロの道具

果実用透過型センサー(三井金属鉱業:果実用Qscope―F84透過型センサー)

豊田梨共同出荷組合が導入した果実用透過型センサーの画像

 

野菜ソムリエ上級プロ 柳井さつきレポート

梨は、コレステロールや糖の吸収を抑える働きのあるカテキンが多く含まれています。生活習慣病が気になる方には特におすすめです。ほのかな酸味はクエン酸。そしてアミノ酸の一種アスパラギン酸が含まれています。これらは疲労回復効果が期待できるので、夏バテ気味の方に特におすすめです。
梨の美味しい食べ方は、それぞれ好みが分かれますが、採れたて新鮮なものは皮の表面がザラザラしていますが、熟してくるとツルツルしてきます。皮の表面を触ってお好みの食べ頃を選んでください。また、常温で食べると甘さがしっかり感じられますが、冷やすと甘味を感じにくくなるものの、夏の暑い時に水分たっぷりの冷たく冷やした梨はほてった体のクールダウンにおすすめの食べ方です。梨特有のシャリ感は石細胞によるもので口から清涼感を感じることもできます。
また梨には、たんぱく質分解酵素のプロテアーゼが含まれています。生の状態ですりおろしたもので肉を漬け込んで焼肉やプルコギにすると肉が柔らかくなって美味しいですよね。また、食後にデザートで梨を食べるとたんぱく質の消化を促してくれるので、これらは理にかなった食べ方です。
ところで、梨のことを「ありのみ」と言うのを耳にしたことはありませんか?私も最初聞いたときは、蟻の実?甘いし美味しいから?と思ったりしましたが、これは「ナシ」が「無し」に通ずることから「梨の実」の忌みことばなのです。「梨」は「無し」ではなく美味しさや栄養は「有り」です。実は忌みことばは他にもあって「スルメ」を「アタリメ」、「すり鉢」「すりゴマ」を「あたり鉢」「あたりゴマ」というのもそれです。日本語の粋を感じますね。​
柳井さつき 野菜ソムリエ上級プロ メディアでの活動を中心に山口県の野菜の魅力を伝えている。

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