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山口県漁業協同組合 特牛支店 漁師 春永克己さん

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船の上で大きなサワラの重さを測っているサワラ漁師の春永さんの画像


漁師歴37年の春永さんは30年以上共に海に出ている「春日丸」の船上で「今日はあんまり獲れんかったね。」と言いつつ発泡スチロールの箱から尻尾がはみ出るくらいの大きなサワラを何匹も並べて見せてくれました。細長い銀色の体に青黒い斑点模様があり、大きな口にはギザギザの歯がずらりと並んでいます。大きいものは1mくらいで5kgもあるサワラは引き縄漁で獲れたものです。
夜が明ける朝7時前に出て、吉見から矢玉の沖、船で20分くらい出た漁場で漁をして帰ってくるのは夕方日が落ちる頃。春永さんは1人で漁に出ていますが、山口県漁協特牛支店で引き縄漁をしているのは3人、他の漁師さんたちとは海の上でも無線で連絡を取り合います。と言うのもサワラは神出鬼没?以前釣れた場所でまた釣れるとは限らない、もちろん機械も利用されますが、漁師としての経験と知識の蓄積が漁には欠かせません。春永さんは「ひとりよがりじゃなくてみんなで一緒に釣果を分け合おう。」とサワラが現れたポイントの情報を他の船にも伝えるのです。

船のそばでインタビューに答えている春永克己さんの画像船の上で釣ってきたサワラを並べている春永克己さんの画像


最近のサワラ釣りに欠かせないと言われている白いプラスチック製の「潜行板」というものがあります。サワラ釣りの仕掛けの一つで、これを海中で引くと、つないである疑似餌がより餌らしい動きをするので、サワラが食いつきやすくなると言う道具です。これを対馬の漁師さんから学んで山口県内でもいち早く導入したのが春永さん。今ではみんなが取り入れています。
このように新しい技術をいち早く取り入れたり、様々な工夫をする春永さんは釣り上げたサワラの鮮度を保つためにも色々なことをされています。船の上には座布団のようなふわふわのマットがあって、釣り上げられてきたサワラはこの上に乗せられるとすぐにT字型の道具を頭に刺して締められます。そしてエラのところから血抜きをして、更に細長い針金のような道具を頭から刺して神経締めにされるのです。「海から上がったサワラがふわふわのマットの上に乗せられたら、あら?まだ海の中かな?ってサワラが勘違いしてあんまり暴れんのよ。サワラは身が柔いけぇ船の上の硬いところでバンバン暴れたらもう身が悪くなってダメになるけぇね。」と春永さんはいたずらっぽく笑いました。これだけ手間をかけるのは「いかに美味しいものを消費者に届けるか」をいつも考えているからです。

発泡スチロールの箱に入れたサワラの画像発泡スチロールの箱の上に置かれた白いプラスチックでできた潜行板の画像軽トラの荷台に積まれたサワラの入った発泡スチロールの箱の画像


実は春永さん、漁師になる前は調理師をしていたという経歴の持ち主。「美味しいもの」への思いが人一倍強いのも納得。オススメのサワラの食べ方をお聞きした時も「炙り刺し、西京焼き、照り焼きのタレはは酒1、みりん1、醤油2で作ったらええよ。身が柔らかいけぇ優しく扱うんよ。」と料理人らしいアドバイスをしてくださいました。
春永さんはニューフィッシャーの指導員もされています。新しく漁業を始めたいと言う若い世代を受け入れて2年間の研修を行い、独立できるように導く役割です。その指導員としても独自の方針で「釣りの技術も大切だが、地域のコミュニティーにいかに馴染んでいけるかが一番大切。」という事で同じ指導者に2年間ずっとつくのではなく、複数の指導者から様々な漁の方法を学べるようにして、若い漁師さんの独立定着率をあげました。他にも滝部でのこども食堂に釣った魚を提供するという活動もされていて、ここでは料理の腕も披露されているそうです。海の上では1人でも、常に周りの人の事を考えている春永さんだからこそ、釣り上げるサワラへの信頼度も高いのかも知れません。

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