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吉田園芸組合茄子部会 部会長 倉田博明さん

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倉田博明さんと柳井さつきさんがナスの畑の前でしもマルの看板を持って笑っている画像


 吉田園芸組合茄子部会の倉田部会長は60歳で会社員を引退してから農業を始めて19年目。一人でナスの栽培をしています。最初はJAの営農指導員さんから栽培方法などの手ほどきを受けて作付けを始めました。現在では900平方メートルの畑に、400の苗を植えて7〜8トンのナスができるようになりました。吉田地区では50年ほど前からナスの栽培が行われていて、吉田園芸組合茄子部会全体では12戸の農家さんが1シーズンに150トンほど出荷しています。

 「吉田ナス」は北九州の市場での評価が特に高く、大部分は北九州に出荷されていて、高値で取引されています。高評価の理由は吉田ナスの品質にあります。吉田ナスは「大成」という品種で、皮が薄く、甘くて果肉が柔らかいのが特徴です。吉田園芸組合茄子部会ではさらに良いナスを生産するためにとにかく手をかけています。まず、吉田のナスは田んぼで栽培されています。保水力のある田んぼの土で育つことで果肉の柔らかさが際立ちます。また、ナスは風で動いた葉っぱが少し触れただけで傷が付いてしまうので、圃場の周りを防風ネットで囲んで風よけ対策を行い管理しています。1m50cmほどの高さまで成長した苗は光が当たりやすいように枝を左右に広げて誘引されます。枝をしっかり広げ、葉かぎをこまめに行うことで、ナスがぶら下がっても茎や葉に当たりにくくなり、傷が付くのを防げるのです。倉田さんは「吉田のナスが黒々としてツヤがあるのはしっかり葉かぎしてよく日が当たるようにしとるからなんよ。」と教えてくれました。ナスづくりを始めたばかりの頃は「一日中ついとかんといいナスができんよ。」と言われていたそうで、今でも倉田さんはその教えを守っています。

倉田博明さんが1人でナスの畑の前でしもマルの看板を持って笑っている画像青いネットで囲われたナスの畑を倉田博明さんが眺めている画像倉田博明さんが笑顔でインタビューに答えている画像


 定植してからは、水や肥料を生育状況に合わせて散布し、次々と出る脇芽を選んで取り除き、虫や病気が発生していないか状況観察を行い、初夏に紫色の花が咲くと25日くらいで収穫の時期を迎えます。出荷の時期の夏場は生育が早く葉も実もすぐに大きくなります。「朝収穫したはずなのに、夕方来たら『あら?取り忘れたかな』と思うくらい朝は小さかったナスが大きくなってることもあるよ。」という倉田さん。実がなる期間は毎日出荷作業があり、日の出前から収穫・選別・箱詰めを行います。作業は大変ですが、「上手な人は1本の苗から1シーズンで7000円分くらいナスが取れるし、苗を枯らさない限り赤字になることがないのがナスの魅力かなぁ。」との事でした。そして「吉田のナスは格が違うって言われとるけぇ手抜きは出来んのよ。」と笑顔で言われていました。吉田ナスへの信頼を維持するために部会として出荷時に各生産者が当番制で検査し、常に厳しい目で品質管理をしています。「これが吉田のナス」と自信を持って出荷されたナスはその名に恥じない評価を得ているのです。

 倉田さんのオススメは「とろけるような食感で美味しいよ〜。」というナスの天ぷら。「吉田ナス」を見かけたらぜひ購入して天ぷらにして食べてみてください。

 

野菜ソムリエ上級プロ 柳井さつき 吉田ナスレポート

 その長さに存在感を感じる吉田なすは、6月上旬から霜が降りる11月ころまで出荷されています。

 ナスは果肉のほとんどが水分ですが、抗酸化作用のつよいポリフェノールが多く含まれています。俗に私たちが「アク」と呼んでいる成分です。空気にふれると褐変してしまうのでアクと呼ばれてしまう所以なのですが、実はすごく体にいい成分なので、なるべく水にさらさないようにして調理しましょう。また、このポリフェノールは生食ではえぐみを感じますが加熱をするとそれが旨味に変わってきます。皮の紫色は、これも抗酸化作用の強いアントシアニン。皮もなるべく食べるようにすることをおすすめします。

 吉田なすは、皮や果肉が柔らかく日持ちがよいのが特徴。加熱をすると更にとろけるような食感になり、特に油との相性がいいので、天ぷらやゴマ油で炒めるのが一番のおすすめ。

 「秋ナスは嫁に食わすな」というのがありますが、これは2通りの意味があると言われています。ナスは水分が多いのでお嫁さんの大事な体を冷やさないように、という労りの意味と、秋のナスは美味しいので、嫁には絶対に食べさるなという意地悪な意味があると言われています。

 吉田なすは本当に美味しいナスですので、嫁もたくさん食べてほしいですね。
柳井さつき野菜ソムリエ上級プロ メディアでの活動を中心に山口県の野菜の魅力を伝えている。

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