ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > しもマル.net > 消費者のみなさまへ > 林業者紹介 > 有限会社松嵜材木店 代表取締役 松嵜行啓さん

本文

有限会社松嵜材木店 代表取締役 松嵜行啓さん

ページID:0056463 印刷ページ表示

製材された木の板を積み重ねて乾燥させている場所でしもマルの看板を持って笑っている松嵜行啓さんの画像


 昭和初期に始まった材木業から数えると90年を超える下関市内でも老舗の松嵜材木店。昭和27年に現在の有限会社となり、平成元年に社長になった松嵜さんは3代目。2022年に息子さんが4代目として事業を引き継ぎます。清末鞍馬にある事務所には立派な木の看板がかかり、材木店らしくふんだんに木が使われています。松嵜材木店が主に取り扱うのは神社仏閣などで使うような大きな国産材です。今では外国産のものも増えましたが、製材の扱いはまだ国内産の方が多いと言います。近年の建築で使う木材は工期の短縮を目的に、大量生産で画一的に製材されたプレカットが主流になっています。しかし長年木を取り扱ってきた松嵜木材店には、天然乾燥木材もまだたくさんあります。事務所横には広い乾燥場が併設されています。2代目が建てられたという建物の内部構造は立派な木材で出来ていました。そこに高く積み上げられたたくさんの木は、10cmから20cmくらいの厚みで幅は30cmから1m程度まで様々、長さは3〜4mはあるようなもので、まだ樹皮が付いたままのものもあります。それを見ながら「これはスギ、こっちはヒノキ、これは厚みもあっていいまな板になるよ。ケヤキとかクスノキの広葉樹は乾燥するのに時間がかかるけぇね、5〜6年は置いとかんといけん。」と松嵜さんが教えてくれました。

板状に製材された木材が隙間を開けて積み重ねられている画像外の材木置き場で丸太の状態の木の断面をメジャーで指して話をしている松嵜行啓さんの画像


 製材所の裏にはまだ丸太のままの原木もたくさんありました。直径が1m以上もある一際大きな木を触りながら「これは松。山口県は昔は松で有名だった。」と言います。ナメラマツという樹齢200年以上の目が詰まったアカマツは皇居の建築材にも使われるような高品質の木材でしたが、昭和40年以降には伐採やマツ枯れなどの影響でほぼ出荷されなくなってしまい、今は保存林とされているそうです。「これは安かったけ買ったんよ。松のこんな大きいのはもう珍しくなったけぇね。」と茶目っ気たっぷりに笑う松嵜さん。積み上げられた他の木もひとつひとつ触りながら説明してくださるその姿はまさに「木の目利き」そのもの。一目見ただけでその木の素性や特徴を見極めて、どのように使うかがもう松嵜さんの頭の中に描かれているのです。そんな松嵜さんの「木も地産地消が大事。そこで生まれ育ったものをその地で使うと環境になじむ。」という言葉が印象的でした。下関産の木は硬めで強く、持ちが良くゆっくり自然乾燥させると中の色も変わりにくいそうです。下関の山で育った木だからこそ地元で使うことで環境になじんで、そこで暮らす人にも良いということをたくさんの人に知ってもらいたい。そんな気持ちが伝わってくる言葉でした。

外に置いてある大きな板状の材木をさすりながら笑顔で話している松嵜行啓さんの画像


 木にはそれぞれ種類によって性質やくせがあり、製材してすぐにそのくせがでることもあれば、木が乾いてから反りや曲がりなどのくせがでてくることもあります。そのため松嵜材木店では長年の経験で培った目利きで1本1本、木の性質を見ながら丁寧に製材を行い、その後じっくり時間をかけて天然乾燥させ、柱や桁、その他の製品として使う段階でもう一度製材しなおします。手間と時間はかかりますが、そうすることによって木のくるいを最小限におさえ、木の本来持つ艶や強度を引き出すことができ、最適な材料となります。そんな材木を提供してくれる材木店が下関にあることをぜひ多くの人に知ってもらいたいと思います。

ヒミツ道具

製材機

皆さまのご意見をお聞かせください

お求めの情報が充分掲載されてましたでしょうか?
ページの構成や内容、表現は分りやすかったでしょうか?
この情報をすぐに見つけられましたか?