ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > しもマル.net > 消費者のみなさまへ > 林業者紹介 > 王喜タケノコ部会 やまもとたけのこ代表 山本由人さん 山本忍さん

本文

王喜タケノコ部会 やまもとたけのこ代表 山本由人さん 山本忍さん

ページID:0056427 印刷ページ表示

竹林でしもマルの看板を一緒に持って微笑んでいる山本由人さんと山本忍さんの画像


 王喜地区にあるやまもとたけのこでは古くなった竹を切り、土を入れるなど圃場整備を行い高品質のたけのこを生産しています。たけのこといえば春の味覚の代表的なものですが、旬の季節にたけのこを掘る事以外にも一年を通して様々な作業が行われているのをご存知でしょうか。その作業をするのが山本由人さんと忍さんご夫妻。
 もともと王喜は由人さんの出身地で、たけのこの生産をしていたという由人さんの祖父から山を受け継いで17年になりました。由人さんの思い出の中のお祖父さんは「すごくたけのこが好きだった」そうで、当時まだ有名でなかった福岡の合馬からたけのこの栽培方法を教わりに訪ねてくるほどのたけのこづくりの名人でした。由人さん自身も小さい頃から一緒に山に入ってたけのこ掘りを手伝っていました。学生時代など一時山から離れた期間もありましたが、ずっと山を守っていたお祖母さんが高齢で山仕事が出来なくなってきたことをきっかけに地元に戻って山を継ぎました。そして2011年に結婚した妻の忍さんも一緒に山仕事をするようになりました。最初はお祖母さんに色々聞きながら、そして由人さん自身もどうすれば美味しいたけのこが出来るのか、研究を重ねて試行錯誤しながらたけのこづくりを続けました。日本一のたけのこの産地である福岡方面に行くことがあれば合馬地区に立ち寄り、どのように竹林が整備されているかを見せてもらったり、竹林で有名な場所を訪れては土を確認したり、そんな由人さんを見て忍さんは「この人本当にたけのこオタクなんですよ。」と半ば諦めたような表情で笑顔をみせました。

 しかし、由人さんの試行錯誤の成果はしっかりとたけのこに現れました。「白子(しろこ)」という、土から出る前に掘り出すたけのこの中でもひときわ白い、100本に1本あるかないかと言われる幻のたけのこは、香りや食感が素晴らしく、全国の料亭などから注文が入るようになるなど高級、高品質なたけのことして認知されるようになっていったのです。「たけのこはウソをつかないから。」と由人さんは言います。「手をかければかけるほど良いものができる。」そして更に美味しいたけのこづくりのための日々が続きます。

 

竹林の中から空を見上げている画像竹林に藁が敷き詰められている画像


 たけのこづくりは重労働です。未整備の竹林は重機が入るように道を作るところから始まり、少しずつ竹を切って光と風が入るようにして、圃場にするための整備を行います。竹林の草刈りをして、保水や保湿のための藁を敷き、その上に山から削りだした赤土運んで藁の上にかぶせます。急斜面や運搬機が入らない場所は一輪車やてみで重い土を運びます。どの竹が何年目か印をつけておき、5年経ったら切り倒す、などなどここには書ききれません... 。

 最初は訳も分からず言われた通りに作業するばかりだった忍さんは「子育ての時期とも重なり重労働についていくだけで精一杯で、このままどうなるのかと思ってました。」と当時のことを思い出しながら苦笑い。「でも、何年目だったかな、初めて白子(しろこ)を食べさせてもらった時、涙が出るほど美味しかったんです。これがたけのこ?と思うような甘みと旨みの塊で... 」それからは忍さんも「自分がやってきたことは無駄ではなかったんだ」と思うようになり、今では由人さんと同じ思いでたけのこづくりに励んでいます。お二人は「大変だけどたけのこだけは手抜きできない。」と口を揃えて言います。今では4人のお子さんたちも、たけのこづくりや畑仕事などの手助けをしてくれるようになってきました。また、山本さんたちの姿を見て自分の家の竹林を手入れし始めた若い生産者も現れています。

 山本さんたちも新しいことにチャレンジしています。コロナ禍でたけのこの市場価格が下がってしまったこともあり、たけのこを使った商品開発に乗り出し、2021年たけのこがたっぷり入った「竹の子ご飯の素」を商品化し、更にはキッチンカーを導入してイベントなどに出店するようになったのです。キッチンカーでは茹でたけのこに味をつけて揚げる「フライドたけのこ」も販売。こちらも評判は上々です。

 

竹林の中で微笑む山本たけのこ代表の山本由人さんの画像


 たけのこ掘りの作業は機械化ができません。収穫時期は一日中たけのこを掘り続けて多い時には1トン以上出荷します。「旬の時期に取れたたけのこを加工して、商品化することで年間通してたけのこの販売ができれば、王喜の美味しいたけのこをより多くの人に知ってもらうことができる。」と忍さんは言います。由人さんのたけのこづくりへの飽くなき探究心と忍さんの商品開発と情報発信で「王喜たけのこ」はこれからもっと盛り上がっていくことでしょう!ぜひみなさんも春の王喜たけのこを楽しみにしていてください。

もう一つの顔

 山本さんご夫妻の出会いのきっかけはなんと「サーフィン」。若い頃は毎年海外へ波乗りに行っていた由人さんに至っては、サーフボードを削るシェイパーという仕事もしています。実はたけのこづくりもプロですが、サーフボードづくりもプロ。すごい!海と山、活躍の幅が広い由人さんです。

 

野菜ソムリエ上級プロ 柳井さつきレポート

タケノコは春の到来を感じる、おそらく一番なじみの深い山菜ですね。
アク抜きのための下ゆではしっかりしましょう。大きめの鍋にたっぷりの水を張り米ぬかとタカノツメを入れ、タケノコを皮ごと入れて約1時間程度ゆでましょう。そして茹であがったらその茹で汁に漬けたままゆっくりと冷まします。
穂先の柔らかい部分は和え物などに、根元のかたい部分は煮物にするのがおすすめです。部位によって調理法を変えてまるごと全部をおいしくいただきましょう。
タケノコは煮物や炊込みご飯などの和食、そして中華料理によく使われますが、パスタにしてもとても美味しいですよ。
茹でタケノコを切ると中に白い粉状のものをよく見ます。これはチロシンといってアミノ酸の一部が結晶化したもので集中力を高める作用があるといわれています。旨味成分でもあり、タケノコ特有のエグ味の成分でもあります。食べても害はありません。
春の我が家は、ご近所さんや友人からたくさんのタケノコをいただきます。大好きなのでそれはうれしいのですが、一度に食べきることができなくなる時もあります。そういう場合は、茹でたタケノコを調理しやすいように切り砂糖をまぶしつけて冷凍保存しています。砂糖をまぶすことで冷凍してもスが入りにくくなります。調理の味付けをする時は砂糖を控えれば大丈夫です。ぜひ一度試してみてください。
タケノコは掘りたてはエグ味が少ないのですが、時間が経つにしたがいエグ味が増します。タケノコが手に入ったらなるべく早く茹でましょう。つまり、近くで採れたタケノコをすぐに調理するのが美味しいのです。
柳井さつき 野菜ソムリエ上級プロ メディアでの活動を中心に山口県の野菜の魅力を伝えている。

 

 

 

皆さまのご意見をお聞かせください

お求めの情報が充分掲載されてましたでしょうか?
ページの構成や内容、表現は分りやすかったでしょうか?
この情報をすぐに見つけられましたか?