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山口県漁業協同組合 吉見支店 運営委員長 伊東祥さん

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船の前でしもマルの看板を持って笑っている山口県漁業協同組合の伊東祥さんの画像


20代の頃から伊東さんの趣味だった魚釣りは、会社員時代にもすでに玄人はだしで、引退後本格的に漁師として海に出るようになりました。狙うのはサワラ。一本釣りで大物を釣り上げる伊東さんは地元でも有名人です。そんな伊東さんが吉見支店で藻場グループを作って生産に取り組んでいるのが「アカモク」です。アカモクはごく一般的な海藻で、生命力が強く秋から冬にかけて5m以上にも成長して、漁場で網や漁船のスクリューに絡みつくため、漁師の間では厄介者扱いされていました。しかしモズクやメカブのように、ポリフェノールやフコイダン、フコキサンチン、各種のミネラル、食物繊維を豊富に含み、健康に良い機能性の高い食品としてテレビで紹介されたことをきっかけに注目を集め、商品価値を持つ海藻へと評価が変わって行ったのです。ご自身も定年後に漁師になった伊東さんは、高齢化の進む漁師が少ない労力で稼げる資源はないかと常々考えていました。そんな時にテレビで見たアカモクが身近な海にたくさんあった事から「これを採ったらいいのでは?」と調査を開始。テレビでは見たものの、周りの漁師さんたちに聞いても食べてみたことがある人は全くいなかったので、7人の漁師仲間と藻場グループを作り、県の水産研究センターの専門家にお話を聞いたり、自分で1年間食べてみたり、販売先を探したりと試行錯誤して5年が経ちました。

アカモクをとるときに使うてんま船が2隻並んでいる画像港で腕組みをしている伊東さんの画像


アカモクを収穫できるのは4月から5月にかけてのわずか2週間程度。その間は藻場グループの7人だけでなく、近くの水産大学校の学生さんや、パートさんの力も借りて一斉にアカモクを採ります。成熟したアカモクの方が粘りが強いので、その時期を狙って、山陰線沿いの七曲のあたりから加茂島にかけての漁場に伝馬船を出し、船の上から長い棒の先に鉤爪をつけた道具で岩場に生えているアカモクを刈り取るのです。これまでの生産量は10トンから20トンと毎年変化が大きく、資源保護も大切だと思った伊東さんは、アカモクを取るときに、3〜5mはあるアカモクの根元1/3は残して、そこから上の部分だけをとるように指導しています。水揚げした大量のアカモクは鮮度を保つためにすぐ冷凍し、加工するときに茹でて刻んで商品にします。大部分は業者さんに販売し、吉見支店でも年間500kgは「無添加無着色の加茂島アカモク」として販売しています。アカモクを加工するための場所も新たに設置し、大量のアカモクを冷凍保存できるように大型の冷蔵庫も港のそばに完成しました。さらに安定してアカモクを生産するために水産大学の先生にも相談しながらアカモクの養殖に向けて動き始めています。

漁協の応接室でインタビューに答えて笑っている伊東さんのアップの画像


タネから芽を出すところまでは成功しましたが、まだ大きく育てるまでには至っていません。でも伊東さんは諦めていません。「アカモクは毎日朝ごはんの味噌汁に入れたりして食べてるけど、本当に体にいいと思うよ。」と誰よりもアカモクの効果を体感していることも大きな力になっているのかも知れません。「開拓者精神でみんなの利益をいかに出すか」と言っていた伊東さん。実はサワラ漁の方でも「たくさんの人にサワラの美味しさを知ってもらいたいけど、大きいけぇ捌くのが大変でなかなか一般の家庭で食べてもらえんのよね。」ということで、捌いて炙りにしたサワラを冷凍した商品を販売されていました。伊東さんと漁協吉見支店のチャレンジはこれからも続きます。

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