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山口県花卉園芸農業協同組合 球根部会 野村農園 野村英史さん 野村みゆきさん
1970年、菊とスカシユリの栽培から始まった野村農園の2代目野村英史さんは農業系の大学を卒業後、株式会社大田花きでの研修を経て実家の農園を継ぎました。現在の栽培面積は35aでハウスが20棟、水田も3.5ヘクタールあり、ご両親と妻のみゆきさんを含む家族7名とパート5名で経営されています。オリエンタルユリを中心に、トルコギキョウ、菊とアスターなどを栽培されています。
ユリの球根は北半球のオランダと南半球のニュージーランド、チリから半年ごとに輸入されているものを使います。冷凍されて届いたものを解凍して消毒、温度管理をしながら3〜4週間ピートモスという保水性のある土で30cmくらいになるまで育ててからハウスに定植します。野村農園では1回につき1500株ほどを50回に分けて植えていくそうです。成長して蕾が出来てくると種類によって花の数が4~6輪になるように芽欠きで調整し、温度管理を行いながら夏場で2ヶ月、冬は3〜4ヶ月かけて出荷まで大切に育てます。野村農園では暑さに強い品種や寒さに強い品種を季節ごとに使い分けながら20種類のユリを9月以外の通年で出荷できるように栽培しています。東京での修行期間に全国各地の様々な花を見てきた英史さんは「良いユリは茎が硬い」と言います。そして今、自分が作るユリがしなりの少ない硬い茎になるように土作りに力を入れています。定植の前に土を消毒して米ぬかやフスマなどの有機物を入れるとともに薬剤も併用するハイブリット型の土作りでフカフカの土を作っています。
大切なのは「土と水と愛情」との事。「工夫した成果が出て、良いものが出荷でき、とお客様が喜んでくださるのが一番嬉しい」と笑顔を見せてくれました。
趣味のランニングつながりで出会った妻のみゆきさんは結婚するまで農業とは無縁だったそうですが、今ではすっかりユリの魅力にハマってしまったようです。英史さんいわく「職人的頑固さがある」というみゆきさんは野村農園に新しい風を吹き込みました。毎日ある農業の仕事に交代で休日が取れるようにしたり、作業の前後にしっかりと「準備と片付け」を行うようにして作業効率を改善しました。そんな野村さんご一家が愛情込めて育てたユリなどの生産品は市内の花市場はもちろん、いただきまーとや小日本ふるさと市などの直売所にも出荷されています。
そして「もっと農園に親しんでもらい、ファンを作っていきたい」という事でユリの植え替えの時期に「球根堀りイベント」を企画して花を楽しむすそ野を広げる活動もしています。HPやFacebookでも情報発信されているので、ぜひご覧ください。
ヒミツ道具
収穫用柄の長いカマ